惑星のダンス
足立は含み笑いをもらした。

「ふうん。じゃあどちらを応援するべきかね」

「オンエアより先に結果知っちゃうでしょ」

「言わなきゃいいじゃないか」

「わかってて言っているでしょう」

「ふふ」

女子二人の会話の内容はよくわからない。ただ仲が良さそうなことは伝わった。

天は昨日から疑問に思っていたことをぶつける。

「なあ、足立はいつから知ってたんだ? アイのこと」

「ずうっと昔から、だよ」

さっきからカチャカチャとなにをしているのかと思えば、ソースを作っていたらしい。炒め物にざっとかけた。味噌のにおいがする。

「昔?」

「祐実は、幼なじみなんだよ。親同士が友だちで」

「へえー」

「もう火を止めていいよ」

「はい」

「足立、切った。これでいい?」

「いいよ。ここに入れて混ぜて」
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