惑星のダンス
足立が差し出したボウルの中には、炒め物にかけたのとは別のソースがあった。

感心しながらキュウリと大根を投入して混ぜる。

「全体的に混ざったら盛りつける」

「ういー」

アイはすでに炒め物を盛りつけていた。皿を数えて天は小首を傾げる。

「……五人分?」

そのときだった、聞き覚えのある声がしたのは。

「おー、ほんとに天がいるー」

「えっ……な、海!?」

くつろいだ部屋着姿で、寝起きのように乱れた髪の海がキッチンに顔を出した。

「な……、な、な」

ぱくぱく口を開閉する。動揺のあまり言語がどこかに行った。

混乱する天からボウルを奪い、足立が皿に盛りつけていく。五人分。
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