惑星のダンス
へらりと海は目を細めた。愉しそうな顔を見てようやく我に返る。

「どっ……どうして?」

「ええ? どうしてって、そりゃあ」

腕組みをして冷蔵庫に寄りかかる彼は斜めに天を見た。

それからすっと視線を移す。その先にいたのはアイだ。

「……!」

まさか、そういうことなのか? 家まで送るどころか上がらせる仲!? 家族公認……!?

「兄だよ」

「はっ……あ、え?」

激しく動揺していた天を正気に戻したのはアイの台詞だった。だがそれもすぐには受け入れられない。

「ああ、言っちゃった」

海が残念そうに嘆息する。視界の端で、足立が口元を押さえていた。
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