惑星のダンス
「別に公表するようなもんでもないでしょ。めんどくさそーだし」

「あーまあ……」

ファンの反応も、芸能の世界でも。

天はアイを盗み見た。

さっきから一言も発しない彼女は、料理を食すことだけに集中している。

芸能の世界の『面倒』を被るのは“PLANET”の側だ。人気や集客力、仕事数でも“Venus”に劣る。

「だから天も黙っててね。バレたところで程度は知れてるけど、それでも」

「ああ」

大人しく頷いた。進んで厄介を持ち込みたくない。

海はふっと笑った。──よく見れば目元がアイに似ている。彗もだ。涼やかで凛々しい、切れ長の目。

ふらりと彗が席を立つ。皿は空になっていた。
< 38 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop