惑星のダンス
海の目にはどう見ても手探りの、わかったような顔をして調理を続ける二人がいる。

笑いそうになるのを堪えているし、祐実はいっそにやにやと高みの見物を決め込んだみたいだ。

「酢豚にかける餡の作り方がわからないんだろうなあ」

「二品目はなんなの?」

「茶碗蒸し」

「てことはもうだめじゃん」

とうとう噴き出してしまった。

今からの残り時間ではどうやったって蒸し足りない。実況も煽るような言葉を挟んでいるが、集中のためか混乱のためか、二人には届いていないらしい。

「フライパンで作るにしろ、片栗粉くらいまぶしてやりなよ……。あんなに露骨に置いてあるのに」

調理に必要な具材や調味料は、あらかじめ各々のテーブルに置いてある。酢豚に使う片栗粉も、卵も出汁も蒸し器も、使ってくれと言わんばかりに配置されているのに。
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