惑星のダンス
「茶碗蒸しなんてほっときゃできるのにさあ」

「そう思って教えとかなかったのが悪かったかな。初心者には、難しく思えるかも」

茶碗に具材入れて卵と出汁を混ぜたものを流し入れて蒸せば、形にはなる。味と見た目の善し悪しはさておいて。

酢豚をどうにか片付けたらしい二人が、いよいよ蒸し器に手を出した。

「今さら、今さら蒸し器を火にかけてもっ……」

「お、出汁を手に取った。どうするどうする」

「あーさすがに茶碗にぶっ込むなんてしないか。卵と混ぜてるね」

「比率失敗してるけどね」

「卵液こす気もなさそうだけどね」

「ていうかあの子ら具材のこと忘れてるのかな」

「あははっ、気づいた、気づいたっ」

父兄参観よろしく幼子の成長を見守る気持ちである。一つ下なだけなのに。

はー、と涙の滲む目元を拭う。もう最下位は決まったようなものか?
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