惑星のダンス
「おつかれさまです」

完璧な微笑みをたたえてユノが小首を傾げた。

おつかれさまです、と“Venus”の二人は挨拶を返す。ミキは笑って、アイは無表情で。

“Venus”の楽屋前である。

ユノは立ち去る気配がない。微笑みを崩すことなく口を開く。

「ミキさん、お料理があんなにお上手だったとは知りませんでした」

「いやいや、あたしなんて大したことないですよー。トロヤさんのおかげですー」

「相性がよかったというのも勝因の一つでしょうね」

声音は柔らかい。ユノは視線をミキからアイに移した。

「……?」

今日の彼女の瞳は青。

愛は少し──ぞくりとする。

陶器のように白い肌。人形じみて整った造形。長いまつ毛で縁取られた青い瞳──仄暗い青。どことなく──濁って見えるのは、気のせいか──。
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