惑星のダンス
「校内探検と洒落こもう」

「ってなんで俺まで」

放課後。

身ぶりつきでツッコミを入れたのは天だ。

はははっ、と軽い笑い声を上げて、祐実は手を振った。

「健闘を祈る。また明日」

「うん」

「足立は帰るんかい」

黒髪を揺らして彼女は教室を出て行った。

愛は天と顔を見合わせる。

「どこの教室のかわからん鍵か。……足立が適当言ったんじゃないだろうな」

「祐実はそんなことしない」

「そっか。じゃあ、当てとかヒントとかは?」

「ない」

「行き当たりばったりだな」

やれやれ、と嘆息する天を、愛はしばし見つめた。
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