惑星のダンス
無言で目を見交わして、愛が鍵を取り出す。
鍵穴に差し込んで、回そうとするも──
「……開かない」
「ハズレか」
左右どちらにもびくともしない。
ため息をつきつつ鍵を引き抜いて、その場を後にする。
時々吹奏楽部員が陣取っている廊下を縫って、新たな教室を探して歩く。
「……率直に、どうだった」
訊ねたのは新曲についてだ。主語がなくても天には伝わると思ったのは間違っておらず、応答は早かった。
「正直」
間が空いたので彼を振り向く。
眼鏡の奥で、蠱惑的な光がちらついていた。
「最高にそそられた」
「……そう」
鍵穴に差し込んで、回そうとするも──
「……開かない」
「ハズレか」
左右どちらにもびくともしない。
ため息をつきつつ鍵を引き抜いて、その場を後にする。
時々吹奏楽部員が陣取っている廊下を縫って、新たな教室を探して歩く。
「……率直に、どうだった」
訊ねたのは新曲についてだ。主語がなくても天には伝わると思ったのは間違っておらず、応答は早かった。
「正直」
間が空いたので彼を振り向く。
眼鏡の奥で、蠱惑的な光がちらついていた。
「最高にそそられた」
「……そう」