惑星のダンス
愛は正面に向き直る。頬が緩むのを自覚したからだった。

それは最大級の賛辞。

「しかし思い切ったよなー。俺はほんとによかったと思うけど、いい声ばっかじゃないだろ」

「時期尚早なんじゃないかとは言われてたことだけどね」

“誘惑”と名づけられた新曲は、官能の気配を色濃く漂わせるものだった。

高校生にはまだ早いんじゃないか、という声もあったが、作曲家と“AMETSUTHI”の社長とで話し合った結果、公表することになった。

「そっちも近いうちにそういう曲やるかもよ」

「平均年齢なら俺らのが高いもんな」

そんな話をしつつ、特別棟の扉はあらかた試してみたが、合致するものはない。
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