惑星のダンス
「……本当に、どこの鍵だろう」

「あと探してないとこは? 部室棟とか図書館棟とか?」

「うーん……」

部室棟というのは祐実の性格からしてないと思う。

図書館棟にある部屋はだいたい入ったことがある。祐実が『秘密』と言ったからには、扉の向こうに秘密があるのだと思うのだが……。

「校内で、普段は入らない、秘密の場所……」

呟いてから、あ、と一つ思い当たった。

「なに、なんか閃いたのか?」

「うん……もしそうだったら、祐実、どうやって……。いや、まずは確認してからだ」

憶測でものを言っちゃあいけない、とは祐実の教えである。

愛は足早に歩き出した。
< 58 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop