惑星のダンス
一般的には立ち入り禁止の場所なので、目的地に向かうまでには人目に気を遣った。

黙ってついてきていた天も途中でどこに向かっているのか気づいたらしい。俄然興味が湧いてきたようだ。

「おい、ほんとに……?」

「まだわからない。試してみてから」

「そうであってほしい……! 夢だったんだよ実は!」

階段を上って二人が辿り着いたのは屋上に通じる扉の前。

漫画などではお馴染みだが、実際は立ち入り禁止の憧れの地。

表情を変えることは滅多にない愛さえ、今はいささか興奮している。

期待に満ちた目を見交わし、愛は鍵を差し込んだ。

────カチャリ。

軽い音が解錠を示した。
< 59 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop