惑星のダンス
「すげえ!」

思わず、といった様子で天が叫ぶ。ただし小声で。

愛は念のために階下を確認し、誰も見ていないとわかってから、ゆっくりとドアノブを回した。

開かれた扉の隙間から爽やかな風が吹き込む。

そろりと一歩、踏み出した。

オレンジ色が目に飛び込む。落ちかける夕陽のきらめきが雲の端を照らして。

「おい、アイ!」

続いて屋上に降り立った天が呼ぶ。目をやると、なにかを見つけて跪いたらしい。

そこには欠けたコンクリートブロックを重石替わりに、一枚の紙が置かれていた。

『Congratulation!』

と、気取った飾り文字でそうある。

「祐実……!」

友人への感嘆が漏れた。なるほど、これは。

なんて粋な秘密だろう。
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