惑星のダンス
「? 天?」

「いやなんでも。なんでもない」

「顔が赤いような気が」

「ほら、夕陽が! 夕陽のせいじゃないか!?」

ぱたぱたと顔の前で手を振るので、怪訝に眉を顰めながら流すことにする。

「……、愛」

「なに?」

「……いや、呼んだだけ」

「ふうん?」

並んで立つ天の手がわずかに触れた。

それは一瞬のことで、二人は下校時刻まで、夕陽と空と海に見入っていた。
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