惑星のダンス
無言で見合うアイドル二人はどんぐりだ。

人間様が哀れみの視線を送って寄越した。

「それは中間テストが終わればはっきりするだろ」

「確かに」

「俺は赤点さえ回避できればいいんだよ」

「君、先々苦労しそうだな」

「ほっとけ!」

そっぽを向くと、くつくつという笑い声とともに天野家の次男が顔を出した。

「海」

「やあ、天。勉強捗ってる?」

ゆるっとした部屋着の海は、その手にトレイを持っている。乗っているカップは四つ。

コトリ、と音を立てて置かれたそれの中身はコーヒーのようだ。砂糖とミルクも添える丁寧さ。

「ありがとう」

「いいえ」

海はこういう気遣いに長けている。一歳しか違わないのにずいぶん歳上に思えるのは、このスマートさが理由だ。
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