惑星のダンス
海は自分のマグカップを口に運びつつちらりと天を横目で見る。

「天は大学どうするの?」

「え? ……えーっと」

すぐに答えられなくて、誤魔化すようにコーヒーを煽った。「あ、美味い」と半分無意識でこぼすと、海が嬉しそうに笑った。

「大学……ね。俺は、どうしても行きたいってわけじゃなくて……」

どうにもはっきりしない口調になる。まだあやふやな将来のこと、未確定な未来のこと。

「アイドル辞めるつもりないし、勉強得意じゃないし……。正直、まだあんまり考えてない。高校入ったばっかだし……ってか、海はどうなんだよ!?」

いたたまれなくなってきて天は話を逸らした。

ぐっと見つめた先で、歳上の男は目を細めていた。

成長途中にある子供を見守るような顔に見えて、天の動きが止まる。
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