惑星のダンス

「俺は大学出るつもりだよ」

「……理由とかあんの？」

「俺もこの仕事辞める気ないしずっとしてたいと思うんだけどさ。学はあっても困らないし、金は自分で稼いでるし、勉強も苦じゃないしね。一番は、」

海はふっと視線を落とした。

「なんらかの理由でどうしてもアイドルを続けられなくなったときの保険、て意味合いが強いかな」

「…………」

「まあ、そんな日が来なけりゃいいんだけど」

天は返す言葉を見つけられなかった。

わずか一歳差でここまで先の見え方が違うのか。

今まで気安く接していた男との圧倒的な距離に愕然とする。

海が、手の届かない、遥か遠い高みにいる存在に思えた。