惑星のダンス
落ちた沈黙を破ったのは足立だった。

「相変わらず真面目だなあ」

あっけらかんとした、ともすれば呆れの色が混ざったような口調に我に返る。

「先のことをそこまでしっかり考えてる人なんて、そういないよ」

「えーそうかなあ」

「海兄の場合は彗兄の背中を見て育ったからじゃない?」

「それはあるかも」

「そういう君は誰の背中を見て育ったの?」

「私は……一言では言い尽くせない」

くすくすと普段と変わらず談笑する三人に、急には気持ちがついていかない。

ぽかんとしていると愛と目が合った。

「……ああ。天は知らないんだっけ」

「え?」

なにを、と問い返すより先に、愛は常と変わらない無表情で言い放った。

「彗兄は高校行ってないんだよ」

「えっ……はあ!?」

思わず叫んだ。手の中のコーヒーが一瞬跳ねる。
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