惑星のダンス
「それは……、俺とアイ、二人の名前で曲を出すということですか」

「そうだ」

困惑の混じった声に答える社長は、なぜだか遠い目をする。

「する気はないか、なんて言い方をしたが、拒否権はない。これは君たちにないんじゃなくて私にないんだ」

「? はあ……」

「彼女が言い出して念まで押してきたからには、絶対にそうなるんだよ……」

「……?」

半分愚痴の社長の言に、天は反応に困っている。

全て聞き流して愛は言った。

「了解しました」

ぐるんと天の首がこちらを向いた。

彼の丸い目を無言で見返す。
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