惑星のダンス
しばらく二人は無言で歩いた。

エレベーターに乗ったところで、天が口を開く。

「ええと……つまり?」

「私とソラのデュエット──二人で一曲を歌う。それも、私たちのために書き下ろされた」

「てことなんだよな……?」

がっ、と彼は頭を抱え込む。

愛はわずかに眉をひそめた。……そんな反応をされるとは思っていなかった。

そして愉快な反応じゃない。

「なに。いやなの」

「そんなわけねえだろ。どんな仕事でもやれることならなんでもやるって決めてるし、気心知れた相手とやるのは楽しいし。ただ、……」

天は言葉を詰まらせる。チーン、とエレベーターの扉が開いた。
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