惑星のダンス
どうして噛み合わないのだろう。欠けている歯車はなんだ?

天は目の上に腕を乗せて、一人考える。

と、乗せていた腕が持ち上げられた。目を開けるとかなり近い位置に愛の顔。

「な……なんだ?」

びっくりしすぎて声が小さくなった。

「天」

つられたのか、愛の声も小さい。

彼女は横から覗き込んでいたが、半分天を押し倒しているように思えないこともなく。

なにかの呪いのように、二人は互いを見つめ合った。

「天、デートしよう」

「……は?」

愛は真顔だった。

天は真顔のまま、顔色だけ赤に変えていた。
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