惑星のダンス
のっけから色々削がれた天はただ愛について行った。発案も愛なので、そしてデートしたかったわけではなく歌のためであろうから、どこか行きたいところがあるのだろう。

と思っていたのだが。

「……な、ん、で、」

上半身をがっちり固定する安全バーを力の限り握りしめながら天は叫ぶ。そりゃもう叫ぶ。

恐怖を紛らわせるために。

「ジェットコースターなんだよ────!」

視界の上半分は青空。下半分は遊園地の土地なので、観覧車やらメリーゴーランドやらが小さく見える。

一瞬それだけ認識して、次の瞬間景色はとんでもない速さで流れた。心臓が浮く。自分でもなんと言っているのかわからないがとにかく叫ぶ。叫んで叫んで叫んで──帰ってきたときには屍だった。

「山瀬、しっかり」

腕を引っ張る愛に抵抗する力も反駁する気力もない。
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