Breath
お母さんはそれ以上何も聞かず家へ着いた。

「とりあえず部屋へ上がっておいで」

と気を遣って言ってくれた。

喧嘩してるの分かったんだろうね。

ほんとお母さんの気遣いにはいつも涙が出そうになる。

2階の結翔の部屋へ上がって2人共ベットに腰かけたけど、しばらく無言。

最初に

「ごめんね」

と言ったのは結翔だった。

小さな声で

「俺先々歩いてたみたいで後ろ振り返ったら凛彩居なくて…少し戻ったら凛彩そこに居て携帯触ってた。お母さんもう駅着いてたから待っててって電話する為に少し離れたんだ。で戻ったら凛彩居なくて。どうしよ、他の男にLINEしてるかもしれない。俺嫌われたかもしれない。凛彩離れていっちゃうかもしれないって考えたら不安で仕方なかった。なんで俺凛彩の手振り払ったんだろうって…ごめんね」

「ううん、私がまた嫉妬したのが悪い、ごめんね」

「ううん、凛彩は悪くないよ、俺が悪い」

って抱きしめてくれた。

本当にどこまでも優しい。
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