【短】星のカケラが海に落ちた
さっき、星海は突然やって来た甘く、少しだけ落ち着きをなくした言の葉の波に乗って、惑星の中…雫の中へと落ちていった。
惑星の中は、透明の水で出来ていて、その時に起きる小波がまるで海のようで、彼らはとても気に入っている。
彼女は、忙しなくあちこちに飛び回る甘美な言の葉の後を追いかけて、なんとか自分の中に取り込んだ。
落ち着かない言の葉は、なかなかに自分勝手な所があって扱い難いと、前に彼女が言っていたのを彼は思い出し、心配そうにその様子を眺めていた。
それでも、彼女はその言の葉をゆっくりとした動きに変え、仄かな光へと変化させた上で解き放った。
彼女の美しさは、その時最大限に輝くようだ、と彼は常々思っている。