【短】君と、もう少し


何時だって格好良くて、優しくて、面倒見が良くて、紳士的な鳴海先輩。

今まで色んなことを相談してきた。

鳴海先輩は、私にとって失くせない存在だと思う。


けど…本当に?

本当に、それだけの理由で鳴海先輩からの告白を受けてしまってもいいの?


私は悩んだ。
それでも、答えの出ないまま、ふらふらと教室に戻る。

そして、顔を合わせたくない、と思っていた淳太の姿はそこにはなく、「あぁ、また違った誰かといるんだな」なんて、そんな風に思ったら、自分の悩みが馬鹿馬鹿しくなっていく。


どれだけ、私が淳太を好きだと思っても。
淳太は、私のものにはならない。
それがとても歯痒かった。

でも、頭の何処かで仕方がない…と妙に納得している自分もいた。


…諦めている自分、が…。


もう、そこに熱がない…そんな自分が…。



< 11 / 27 >

この作品をシェア

pagetop