【短】君と、もう少し
何時だって格好良くて、優しくて、面倒見が良くて、紳士的な鳴海先輩。
今まで色んなことを相談してきた。
鳴海先輩は、私にとって失くせない存在だと思う。
けど…本当に?
本当に、それだけの理由で鳴海先輩からの告白を受けてしまってもいいの?
私は悩んだ。
それでも、答えの出ないまま、ふらふらと教室に戻る。
そして、顔を合わせたくない、と思っていた淳太の姿はそこにはなく、「あぁ、また違った誰かといるんだな」なんて、そんな風に思ったら、自分の悩みが馬鹿馬鹿しくなっていく。
どれだけ、私が淳太を好きだと思っても。
淳太は、私のものにはならない。
それがとても歯痒かった。
でも、頭の何処かで仕方がない…と妙に納得している自分もいた。
…諦めている自分、が…。
もう、そこに熱がない…そんな自分が…。