【短】君と、もう少し
そんな中で、ある時を境に私の中で変化が起こった。
それは、とある日の委員会の後。
何かと面倒を見てくれて、仲良くさせてもらっている一つ上の鳴海先輩から、突然の告白…。
「ずっと…藍沢さんのこと、見てた」
その、真っ直ぐな視線からどうしてか目が離せず、固まっているとくすり、と笑った鳴海先輩は片目を閉じて、茶目っ気たっぷりにこう言葉を続けた。
「好きだよ。藍沢さんが誰を好きでも」
と。
その噂は瞬く間に学校中に知れ渡る。
なんせ、相手はチャラい淳太とは正反対の、純正なイケメン。
告白の件を聞き付けた鳴海先輩のファンの子には泣かれるし、そういうゴシップ的なものに興味津々な男子からはからかわれるしで、私の学校生活は滅茶苦茶になった。
いつも誰かに追われている感じで…。