【完】ファムファタールの憂鬱


いきなりだけど…。
天真爛漫。
という言葉の意味って知ってる?


飾り気がないこと。
心の思うまま言動が溢れ出し、明るさと無邪気さがめいっぱいあること…なんだって。


飾り気がないことは、知ってた。


自信はなさそうだったけど、その内から輝く光はとても綺麗だったから。


しかし…まぁ。


「じんくん、そんなに気配り屋さんで疲れない?」


って、直球勝負で聞かれた時は、口にしてたお茶を思わず噴くかと思った。


「私で良ければ何時でも言ってね?」


そういうの、どこから覚えてくるんだろうね?
あんなに恥ずかしがり屋な彼女は、すっかりマイペースに、小悪魔的存在。

本気で俺が、落としに行ったら、きっとびっくりして逃げて行ってしまうだろうに…。

でも…彼女のそういう魅惑的な所にも、実は相当ヤラれてて。


もう、謎とかそういうの…どうでもいいかななんて…思う今日この頃……。


「あ。飴のお礼に今度お弁当作ってきてもいい?」


そんなこと言われたら、その気もないだろうに…ハート型のマークが大きく付いてる、そんなお弁当を想像しちゃうでしょー?と、心の中で突っ込みを入れてしまった…。

< 31 / 63 >

この作品をシェア

pagetop