【完】ファムファタールの憂鬱
いきなりだけど…。
天真爛漫。
という言葉の意味って知ってる?
飾り気がないこと。
心の思うまま言動が溢れ出し、明るさと無邪気さがめいっぱいあること…なんだって。
飾り気がないことは、知ってた。
自信はなさそうだったけど、その内から輝く光はとても綺麗だったから。
しかし…まぁ。
「じんくん、そんなに気配り屋さんで疲れない?」
って、直球勝負で聞かれた時は、口にしてたお茶を思わず噴くかと思った。
「私で良ければ何時でも言ってね?」
そういうの、どこから覚えてくるんだろうね?
あんなに恥ずかしがり屋な彼女は、すっかりマイペースに、小悪魔的存在。
本気で俺が、落としに行ったら、きっとびっくりして逃げて行ってしまうだろうに…。
でも…彼女のそういう魅惑的な所にも、実は相当ヤラれてて。
もう、謎とかそういうの…どうでもいいかななんて…思う今日この頃……。
「あ。飴のお礼に今度お弁当作ってきてもいい?」
そんなこと言われたら、その気もないだろうに…ハート型のマークが大きく付いてる、そんなお弁当を想像しちゃうでしょー?と、心の中で突っ込みを入れてしまった…。