【完】ファムファタールの憂鬱
そうなのだ。
私は、どうやら、…本気の「好き」以外に物凄い拒絶反応を起こすらしく、それが猫に変身する要因のようで…。
それは…本物の「好き」とは…自分が求めてる、ちゃんとした形のもの……。
付き合えたらステータスになるとか、ずっと前から言ってるけど、興味本位な「好き」ではなくて…。
「ほんと、いつになったら出逢うかなぁ…私だけの王子様…なーんてね」
そう苦笑しながら独りごちて、私はそのまま次の教室に入り込んだ。
もうすぐ20歳になるというのに、悲しくなることばかり。
もうこの際、イケメンがいいとか欲は言わないから、切に願う。
好きな人が…本当に好きだと思える人が…。
そして、そんな彼氏が欲しい、と。
愛のない、上辺だけの告白なんかもうごめんだ。
憂鬱過ぎる日々。
諦めてるとか言いながら…。
どうしても、諦め切れない願い。
私は、この憂鬱をスッキリ晴らしてくれるような、とびきり極上の愛をくれる、恋人が欲しいんだ。