七宝 -なほ-
高校卒業後、

『世羅にとってのママはお姉ちゃんで、また、お姉ちゃんにとって世羅は子ども。
どうかこのまま世羅のお母さんになってあげてください』

夏波は満里奈に手紙を残して家を出て行った…。


「嘘だろ、それ…」

世羅は2人から話を聞くと、フラリとした足取りで部屋に向かった。

今までお母さんと思っていた人は、叔母で、今まで叔母と思っていた人が、お母さん。

夏波が母親と言う事は、蓮奈とは姉弟と言う事になるのではないか…。

蓮奈とは子どもなりにも将来を誓い、身体の関係もある。

別れ話をした方がいい。

そう思うのに、蓮奈に逢いたいと思っている自分がいる。

世羅は自転車に飛び乗り、蓮奈の自宅に向かった-。
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