七宝 -なほ-
その夜、陽花からメールが届いた。

『メールアドレス、教えてくれてありがとう。
いきなりだけど、七宝ちゃんって好きな人とか彼氏、いる?』

『彼氏はいないけど、好きな人ならいるよ。
陽花ちゃんは?』

『陽花でいいよ!
あたし、海渡が好きなんだぁ』

『海渡、かっこいいもんね』

『わかる!?
でも、海渡、好きな子がいるみたいなんだよね』

陽花からのメールで、初めて、海渡は好きな人がいる事を知った。

『海渡に告白するの?』

先程から、心臓の音がうるさい。

『まだわからない。
だって、確実に失恋しちゃうでしょ?』

『実は陽花が好きだとかではないの?』

『それはない。
あたしは七宝ちゃんじゃないかと思ってる』

陽花からのメールで、

「ええ~!!」

思わず大きな声を出してしまう。
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