七宝 -なほ-
一方、愛智はノートに歌詞を書いていた。

「愛智、体育祭の種目、決めるってさ」

歩夢が愛智に耳打ちする。

「体育祭なんてやらなくてもいいさぁ」

うんざりと言うように愛智は言う。

愛智と同じような意見がたくさんあり、

「1組は出なくてもいいさぁ」

などと言う声が聞こえる。
その時、

バーンッ!!

大きな音が聞こえた。
七宝が机を叩いたのだ。

「子どもみたいな事を言ってないで、さっさと決める!!」

七宝の声に、愛智は弾かれたように七宝を見た。

「どうしたの?」

琉音がキョトンと愛智を見ている。

「さっき、ホイッスルボイスが出たさぁ」

愛智は絶対音感を持っている為、皆、マジマジと七宝を見た。
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