七宝 -なほ-
「そうです」

海渡は、七宝が好きな世羅(せら)とは正反対のチャラチャラしたタイプ。

茶髪に長髪。
耳にはピアス。

無理だ、と海渡を見て、七宝は思った。

「上地(かみじ)って事は、生徒会長の妹さん!?」

「そうですが…」

「さっきから硬いねぇ(笑)
タメなんだからもっと気楽にしてよ」

海渡は七宝の肩をバンッと叩くと、笑っている。

「あ、ねぇねぇ。
生徒会長って地味ないとこと付き合ってるって本当!?」

「あんた、それ何気に失礼だから」

七宝は苦笑いを浮かべる。

「…って、ちょっと待って。
さっき、蓮奈ちゃんが世羅と付き合っているって言った?」

「うん、言った。
あれ、もしかして知らなかったの?」

蓮奈は、七宝が世羅を好きだと知っている。
それなのに何故、世羅と付き合うんだろう?

「ところで名前は、…しっぽう!?」

その時、ブチンと七宝の堪忍袋の緒が切れた。
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