「開けるよ、」

そういって頭上から聞こえたと同時に、開かれる扉。

そのときの私の脳内は、
「きれいな手…指も長くて爪もきれい。
なのに男っぽいなんて、いいとこどりな手。」
そんなことを考えていた。

ふと我に返り、「すみません、ありがとうございます。」と、また同じセリフを繰り返し、やっと一歩外に出た。

続いて出てくる長身の男性。

そのときやっと顔を見た。

おそらく5つほど年上の、大人の男性だった。
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