飛鳥くんはクールなんかじゃない
そんな私たち2人に合わせて、普段ならもう1人うるさいほどに盛り上がる人物がいるはず……なんだけど。
「それにしても……さすがチャラ王子。綿密な計画を立ててたね、あれは」
後ろを振り返った凛ちゃんは、冷ややかな目でその光景を見た。
「あのっ、海くん……。それ、重くないですか?」
「ヘーキヘーキ。一華ちゃんは女の子なんだから。これくらい男に任せておけばいいんだよ。ね?」
完璧な王子様スマイルの掘田くん。そしてその横には、申し訳なさそうに謝る一華ちゃんの姿が。
そう。今回のメンバーは、先週菊caféで計画を立てた5人だけじゃなかった。
こっそりと掘田くんが菊川くんに頼んで、もう1人。一華ちゃんが加わったんだ。
「ごめんね。一華まで呼んじゃって」
お兄ちゃんである菊川くんが申し訳なさそうに私たちに謝ってくるのは、彼女も来ることを今朝知らされたから。