飛鳥くんはクールなんかじゃない
「渡くんと海に行ったことは?」
「え?……ないけど」
「じゃあ、プールとか」
「うーん。中学の授業で一緒だったくらいかなぁ」
そして何故か急に始まった、凛ちゃんの質問ラッシュ。
そんな凛ちゃんが今着てる水着は大人っぽい黒色のビキニで、白いレースの水着の自分がなんだか貧相に思えてきてしまった。
「わ〜……渡くん大丈夫かな」
「え?」
「だっていまの花帆、超可愛いんだよ?」
さも当たり前のように告げられた言葉の意味を理解するのに、数秒。
ようやく言葉を理解したはいいけれど、その言葉はいま凛ちゃんに使うべき言葉だと思った。
「い、いやいやいやいや……っ!凛ちゃんの方が可愛いよ!?何言ってるの!?」
なんだか急にパニックになって、慌てて首を振る。