飛鳥くんはクールなんかじゃない
凛ちゃんに笑って誤魔化しながら、私はただひたすらに飛鳥くんのご機嫌を取り戻す方法を考えた。
お菓子はこの前作ったばっかりだし、DVDも最近のやつは見ちゃったしなぁ。
意外と選択肢がないよ、飛鳥くん。全くもう。
午後の授業中もそのことばかり考えていたけれど、結局いい考えは思いつかず。
「……何してんの」
「あ、いや、えと」
家に帰って着替えたところで、もう飛鳥くんはやってきてしまった。
何も思いついてないからどうしようかと困った挙句、ひとまずベッドにあった枕で顔を隠す。
どうしよう、どうしよう。
なにかいい方法を思いつかないと、飛鳥くんが余計にご機嫌を損ねて怒っちゃうよ……!