飛鳥くんはクールなんかじゃない
あまりにもそれが優しくて。
さっきのことで不安になったこともあるのか、私は素直にその腕の中に飛び込んだ。
「……心配かけて、ごめんね」
「ん」
もう一度謝って、飛鳥くんの背中にぎゅっと手を回す。
けれどそれがいつもと違うことに気がついて、思わず手を離そうとした。
……のに。
「こら、離れんな、バカ」
飛鳥くんの腕が私の背中に回って、再び身体が密着する。
……ち、ちょっと待って。これって……。
上半身何も着てない飛鳥くん。私もパーカーを着てはいるけれど、羽織っているだけで前のチャックはまだ閉めていなかった。