飛鳥くんはクールなんかじゃない
だ、ダメだ……ドキドキする……。
飛鳥くんにギュってしてもらうことは、これまで何回かあったけど。
でも、これはいつもと違いすぎるよ……っ。
密着するところが、熱い。
恥ずかしくてドキドキするのに、身体全体が飛鳥くんのにおいに包まれていて、不思議と安心もする。
「……ドキドキしてんの?」
「へっ……」
「花帆の心臓の音、すげー伝わる」
「……〜っ」
耳元でそんなことを言われたら、恥ずかしくて余計に身体が熱い。
「もっと俺にだけドキドキしろよ」
へ、変だ……飛鳥くんも、私も。
ねぇ、飛鳥くん。そんなこと言われなくても、私……すごくドキドキしてるよ。もう、おかしいくらいに。