飛鳥くんはクールなんかじゃない
「ふふっ、可愛い、凛ちゃん」
「やめて〜……」
なんだか微笑ましくて、にやけが止まらない。
そんな私に凛ちゃんは「やめてやめて」と言うけれど、なんだかんだで掘田くんに恋した凛ちゃんはまんざらでもなさそうだった。
「……ほら、あーゆーの。すっごくムカついちゃう」
そう言いながらムッとした凛ちゃんの視線の先には、一華ちゃんに話しかける掘田くんの姿がある。
いくら嫉妬する自分が嫌でも、嫉妬してしまうものはしてしまうらしい。
「あーもう!あたしも行ってくる!」
遂に痺れを切らした凛ちゃんは、着ていた白いパーカーを脱いで掘田くんたちの方へ行ってしまった。
「……ヤキモチ、かぁ」
掘田くんの隣に行った凛ちゃんを眺めて、私も少し考える。