飛鳥くんはクールなんかじゃない
「佐藤さんが1人だったから話し相手になってただけだろう?」
「それで触れる必要なんてないだろ」
「はいはい。悪かったって」
菊川くんはさっき、飛鳥くんですら自分の気持ちに振り回されているって言ってた。
……拗ねやすい、って意味だろうか。
少し不機嫌な飛鳥くんに対して、やっぱり菊川くんはニコニコ笑ってた。
触れられている肩だけに、熱が集中する。
さっきの一華ちゃんの発言よりも強く思い出されるのは、さっきの抱き締めれたときの熱。
だ、だめだ……っ。なんか意識しちゃうよ……。
「あっ、飛鳥くん……!近いっ」
耐えきれなくなって離れようと飛鳥くんの胸を押すけれど、むしろグッと抱き寄せられてしまった。