飛鳥くんはクールなんかじゃない
「飛鳥。人前だよ」
「知るか」
苦笑する菊川くんの前でもおかまいなし。
き、今日の飛鳥くん変だ……!距離がいつも以上に近い。というか、スキンシップが激しすぎる。
「ちょっとっ!飛鳥くんってば……!」
何度も何度も飛鳥くんの名前を呼んで、やっと離してもらったのは、菊川くんが呆れてこの場をあとにしてからだった。
「もう!菊川くんの前であんなこと!」
「一成の前だからやったんだよ」
「なんでそんなっ」
ドキドキしてどうにかなりそうで、必死で飛鳥くんに猛抗議。
口を尖らせて文句を言うと、飛鳥くんは私の頬をムギュッと右手で掴んだ。