飛鳥くんはクールなんかじゃない
初めて、声に出して気持ちを言った。
「好き」が、ストンと胸に落ちる。やっぱり私は飛鳥くんが好きなんだと、改めて納得した。
おそるおそる凛ちゃんの様子を伺うと、目をまんまるにしてポカンと口を開けている。
けれど少しずつその頬は柔らかに微笑んで。
「……やっと言ってくれた」
私以上に嬉しそうに笑ってくれた。
「もう、遅いよ〜っ。いつ気持ちに気づいたの?花帆の鈍感!」
「り、凛ちゃんそんなに言わなくても……」
「だって遅すぎるんだもん!あたしの方がモヤモヤしてたんだから〜!」
ケラケラ笑いながら、凛ちゃんは「これでコイバナができるね」と言ってくれた。
なんだかそれが少しくすぐったい。