飛鳥くんはクールなんかじゃない
「俺が、ご機嫌になる方法」
「えっ?」
「……知りたい?」
そんな抱き締められてるに近い態勢で言われて、私はくすぐったくて思わず体をよじる。
けど、その方法が知りたくないと言えば嘘になるわけで。
「知りたい、です」
小さく呟くようにそう答えると、飛鳥くんは私の背中に手を回してギュッと力を込めた。
さっきまでとはまるで違う密着度。体温。匂い。
抱き締められる、って、こういうことだとすぐに理解できた。
「あ、飛鳥くん……っ!?」
けれど、頭では理解できていても、こうもギュッとされるとどうしたらいいのかわからなくなってしまう。
ち、近すぎてクラクラしそう。