飛鳥くんはクールなんかじゃない
「は……?」
直後、飛鳥くんが目を丸くしたのは言うまでもない。
一緒に住んでるわけでもなければ、彼女でもない私が、そんなことを言える立場じゃないもん。
でも……。
「花帆、それどういう……」
「はーい!みんなおまたせしました〜!」
飛鳥くんがなにか言いかけたのと同時に、亜子さんの明るい声がリビングに響いた。
「やーん、花帆ちゃん。待たせてごめんね!」
来るなりガバッと抱きつかれた私は、もう飛鳥くんとゆっくり会話をする余裕なんてない。
そのまま流れるかのようにみんなでご飯になって、食べ終わるとあっという間に渡親子は帰っていった。