飛鳥くんはクールなんかじゃない
あのあと家に行っても、花帆は会おうとしてくれない。
いまさらながら、あいつに避けられることがこんなにも堪えることを知った。
「昨日、駅近の雑貨屋でたまたま佐藤さんに会って、僕が誘ったんだよ。雰囲気違うから一瞬わかんなかったけど」
「……」
「ったく、そんなに睨むなよ。飛鳥も会いたいかな〜って思ったから連れてきたのに」
それが大きなお世話だと言ったら、こいつは察するだろうか。俺の思いを。
……大方、言わなくても一成にはバレていそうだが。
昨日の花帆は、いつもと違いすぎて、正直戸惑った。私服の系統も、化粧も。
それに合わせて一成と2人でこの店に来るものだから、いつものごとく独占欲が掻き立てられるのは簡単で。