飛鳥くんはクールなんかじゃない
俺が来るとわかっていても、花帆はきっと服装のことなんて気にしない。
男のことなんて全然わかってないんだから。
「……襲ってって言ってるようなもんだろ」
男のことを教えなかったことに少し後悔した。
花帆は昔から可愛くて人気者で、だからこそ俺は他の男に近づけまいと、これまで色々やってきた。
一成や海の言葉をそのまま使うと、花帆に "吹き込んだ" んだ。
俺以外の男と2人きりにならないように。何かあったら俺を頼るように。
……俺だけを、見るように。
眠っている花帆の髪を、そっとかきあげる。
こんなの、誰にも見せてやるものか。