飛鳥くんはクールなんかじゃない
「詳しくはまた今度ゆっくり話すから。だから花帆も頑張って!ね?」
「なんだよ〜、凛。俺らの馴れ初めなら俺も必要じゃない?」
「っ、ちょっと!海くんは黙ってて!」
じゃれ合う2人が、ただただ微笑ましい。
頑張って……か。
そんな凛ちゃんの言葉に、なんだか強く背中を押された。
「ありがとう、凛ちゃん。私も頑張ってくる!」
凛ちゃんの家を出ると、私はまっすぐ飛鳥くんの家に行った。
飛鳥くん、今日はバイトだろうか。もしそうなら、帰ってくるまで家で待っていよう。
そんな気持ちで渡家のインターホンを押して出てきたのは……、まさかの飛鳥くん本人だった。