飛鳥くんはクールなんかじゃない
「ごめんね。いっつも海が絡んで。あのあとの飛鳥の相手、大変なんじゃない?」
「ま、まぁ、それなりに」
「ははっ、やっぱりか」
飛鳥くんのことで笑ったり、掘田くんのことで謝ったり、菊川くんってやっぱりお兄ちゃんみたい。
固定された人としか付き合わない飛鳥くんが一緒にいるのも、わかる気がするなぁ。
「ん?なに?」
「あっ、いや」
「ん?」
少し見過ぎたのか、菊川くんに視線がバレて首を傾げられる。
そんな仕草ですらカッコいいんだから、これは女の子たちも騒ぐわけだよね。
「まだ付き合いは浅いけど、飛鳥が君を大事にしてるのはすごく伝わるよ。だから海が絡むのが気に食わないんだろうね」
「ずっと一緒に育ってきたから、構ってもらえなくて拗ねちゃうんだよ」
飛鳥くんってば、学校で会えなくても家でいつでも会えるのにね。