飛鳥くんはクールなんかじゃない
え、うそ。
じゃあ本当に飛鳥くん、私のこと……。
照れた飛鳥くんに、私も顔が熱くなる。
「顔、赤いけど」
「ま、待ってまって……っ、キャパオーバーだよ〜……」
「なんだそれ」
へにゃっと力が抜ける私を、飛鳥くんが抱きとめてくれた。
「ばーか」と笑うその顔が眩しい。好きがどんどん溢れる。
「夢じゃ、ないよね……?」
「んなわけないだろ。何度でも言ってやるよ」
くすっと笑う飛鳥くんの顔が近づく。
「好きだよ、花帆」
囁いてくれたその声は、いつも以上に優しかった。