飛鳥くんはクールなんかじゃない



「一華ちゃんとのこと、ちゃんとしたくて……。飛鳥くんに待ってもらったの」



こんなことしたって、ただの私の気休めにしかならないけど。ただの偽善者かもしれないけど。


……でも、一華ちゃんは大事な友達だから。




私の言葉を聞いた菊川双子は、そろって目をパチクリ。


「花帆ちゃん……いい人すぎます」

「……一華、お前一回ちゃんと佐藤に謝れ」


一華ちゃんの頭に手を置き、全力で下げさせようとする菊川くんの手を慌てて止めた。


そ、そんなことしなくていいのに。



どんなきっかけであれ、一華ちゃんが飛鳥くんを好きだったことに変わりはないんだから。


ちゃんと、話せてよかった。




それから少しだけ、純粋に一華ちゃんとのお茶を楽しんだ。


菊川くんが次はイヌとネコのクッキーを持ってきてくれて、一華ちゃんと2人で写真撮影大会をして。


「そういえば」と、いまだに交換してなかった一華ちゃんの連絡先を交換して、私は菊caféをあとにした。



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